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役員退職金
『中小企業・ベンチャー企業における有効な退職金準備』

 

役員退職慰労金規程の作成

① 「役員退職慰労金規程」が必要な理由

②  規定の作成から役員退職慰労金支給までの流れ

③  規程制定のための各種議事録

④  規程作成にあたっての重要なポイント

​⑤  その他

① 「役員退職慰労金規程」が必要な理由

役員に退職慰労金を支給するにはか株主総会の承認が必要です。ただし実際には過去の支給慣例に基づいて取締役会等で決定することが多いのが実情です。ここで問題になるのが役員退職金に金額の公正さです。一定の基準がなく決定された役員退職慰労金は、支給を受ける役員の信頼感を損なうだけでなく、これから支給を受けるべき役員の不安感を煽ることになりかねません。

そこで「役員退職慰労金規程」を作成することにより、支給基準を明確にし、また税務上の適正基準の指標とすることもできます。

​なお、役員退職慰労金規程で規程するのは、役員退職慰労金(功労金を含む)及び弔意金(死亡退職した役員に支払う場合)です。

 

② 規定の作成から役員退職慰労金支給までの流れ

 

③ 役員退職慰労金規定制定のための各種議事録

役員退職慰労金を制定または支給する場合には、取締役会や株主総会の決議が必要で、これらの議事録の作成が重要です。

​更に詳しい内容については、弁護士・司法書士等の専門家にご相談ください。

④ 規程作成にあたっての重要なポイント

⑤ 生命保険の活用

役員退職金の準備に生命保険を活用できます。生命保険を活用した役員退職金準備は、計画的にかつ効率よく退職金を積み立てられるうえ、税務面でも、積み立て、受け取りの両方のタイミングでメリットがあります。

《積み立て時のメリット》

生命保険は税制上、“資産形成の機能を持ちながら損金で処理できる”という優遇措置があります。生命保険を活用することで保険料の全部または一部を損金で毎年処理しながら退職金の積み立てができるのです。損金の分だけ法人税が減ることとなり、節税メリットが享受できます。資金が必要な時には生命保険会社から契約者貸付を利用して借入もできます。
 

《受取り時のメリット》

退職金は会社への貢献の対価であるという観点から、大きく3つの税率軽減で優遇されています。

① 任期年数に応じた退職所得控除

② 控除後の課税対象額を半分にできる1/2課税

③ 退職所得は他の所得と合算しない分離課税制度

上記のように、役員報酬が一定額以上の場合、役員報酬の一部を退職金原資として将来に回すことで税負担を軽減し、役員報酬の増額や役員賞与を支給するよりも、結果として最終的な手取額を増やすことができます。

役員退職慰労金規定を作成するために必要な手続き

役員退職慰労金規定案の作成

役員退職慰労金規定の作成に際しては、算定基準をわかりやすくする必要があります。

また、役員退職慰労金の支給対象者、支給時期、支給方法も明確にしなければなりません。

取締役会決議

(役員退職慰労金規定制定)

経営者が作成した役員退職慰労金規定案を確定させるためには取締役会の決議が必要です。

規定の制定は重要な業務執行(会社法第362条)に該当すると考えられるからです。

役員退職慰労金規定を支給するために必要な手続き

株主総会決議

(役員退職慰労金支給)

 

役員退職慰労金は、役員報酬の後払いと解されるところから、役員包囲集と同様株主総会で決定する必要があります。

取締役会決議

(役員退職慰労金支給)

実務上は、役員退職慰労金の具体的金額や支給時期、支給方法等を株主総会で決定することはほとんどなく、取締役会に決定を一任することが一般的です。

​そして、取締役会は規定に基づいて具体的な内容を決定することになります。

役員退職慰労金支給

取締役会で決議した役員退職慰労金規定の内容に基づいて支給します。

また、受給権者については、役員退職慰労金規定で定めておくことで無用な混乱を避けることができます。

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