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ユーグレナと新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対するワクチン開発の共同研究契約を締結

<KAICO株式会社>

難発現タンパク質の発現・精製技術に強みをもったKAICOと微細藻類ユーグレナをベースにした優れたバイオテクノロジー技術を有しているユーグレナ社が、新型コロナウイルス感染予防の研究連携に合意


KAICO株式会社(福岡市西区、代表取締役:大和建太、以下:KAICO)は、株式会社ユーグレナ(東京都港区、代表取締役:出雲充、以下:ユーグレナ社)と、新型コロナウイルス感染症のワクチン開発に対して共同研究することになりました。

KAICOは、九州大学農学研究院日下部教授のカイコを用いたタンパク質産生技術に、工学研究院神谷教授のタンパク質機能亢進技術を応用し、難発現タンパク質の医薬品・診断薬・試薬を開発することを目的に、2018年4月に設立した九州大学発ベンチャーです。

KAICOは、技術導出元である九州大学農学研究院日下部研究室の主導のもと、新型コロナウイルスに関して、組換えウイルス抗原と組換え抗ウイルス抗体の共同開発を行い、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質(Sプロテイン)三量体の抗原開発に成功し、複数の抗体との結合を確認しています。


■共同研究の内容

KAICOは、上記の通り新型コロナウイルス感染症に対して作成が難しいとされるスパイクタンパク質の調製に成功するなど難発現タンパク質の発現・精製技術に強みをもち、ユーグレナ社は微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ、以下「ユーグレナ」)をベースにした優れたバイオテクノロジー技術を有しています。今回、両社は免疫領域・メディカル領域の研究開発を強化、発展させることを目的として、新型コロナウイルス感染予防の研究連携に合意しました。

ユーグレナ社は10月1日に「東北大学病院ユーグレナ免疫機能研究拠点」を開設しますが、その拠点での研究テーマとして、KAICOが開発した新型コロナウイルスの抗原タンパク質を用いたワクチン開発の研究と経口ワクチンの臨床検討を視野に入れた研究を行います。

共同研究では、KAICOが新型コロナウイルスの抗原の改良・量産化・経口カイコワクチンの検討を行い、ユーグレナ社がその抗原を用いて新型コロナウイルスのワクチンの実用化への検討研究を行う予定です。本共同研究を通じて、両者の技術と経験を活かし、新しい価値を創出していきます。


■九州大学のカイコによる組換えタンパク質の生産

近年の創薬市場はバイオ医薬品と呼ばれるタンパク質製剤がメジャーとなり、治療薬がなかった疾病にも効果をもたらしていますが、それでも求められるタンパク質全てが生産できるわけではありません。

KAICOは九州大学のオリジナルカイコを利用しカイコ・バキュロウイルス発現法*により、再生医療用研究試薬やワクチン、診断薬などの大きな潜在需要がありながら、低コスト生産が実現できていない難発現性タンパク質を大量生産できる生産プラットフォームを商業的に構築しました。

*カイコ・バキュロウイルス発現法

目的タンパク質DNAをバキュロウイルスに挿入し、このバキュロウイルスをカイコ体内に注入することにより、 ウイルスの増殖に従い目的タンパク質が発現されます。発現された目的タンパク質を体内から回収し、精製します。KAICOは大量発現に適したバキュロウイルスと、挿入するDNAコンストラクト作成にノウハウを保持しています。



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